saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第六章 生のアート The art of living (第三の質問)

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第三の質問

愛する和尚、

あなたの話を聞いていると、まるで死んでいくような、あなたが私を 絶えず遠くへ押しやっているような気がします。
あなたは 私の頂上、エベレストであり、とても美しく、とても遠いのですが、 信じられないほど 近くにも感じます。
あなたに対して 私自身を開くために 何かできることがありますか。



私がここにいるのは、すべて、あなたを 死へ、知られざるものの深淵へ、ゼロの体験へ 押し込むためだ。
インドでは それをサマーディーと呼ぶ。
それは ゼロの体験 ーー そこでは、ある意味で あなたは存在するが、ある意味で あなたは存在しない。
そこでは、書かれてあることが すべて消え、まっさらな本しか残らない。
それが 真の聖書、真のヴェーダだ。
書かれてあることが すべて消え、本が 完全に まっさらになったとき、中身も思考もマインドも感情も 欲望も すべて消え、そこに 純粋な意識しかないとき、中身が空になったとき、それが 私の言う深遠だ。

「あなたは私の頂上、エベレスト」と あなたは言う。
そう、それは本当だ。
だが 頂上は あとからしかやって来ない。
最初は 深淵がやって来る。
私は あなたの深淵でもある。
あなたに とてもとても素晴らしい話をしよう。
よーく聞きなさい。
そして、家に帰り、静かに座って その話に瞑想しなさい。


ある男が 馬を買いに牧場に行った。
そして 一頭を 指さし、「あれ、あそこに すばらしいポニーがいる。 何ていう種類だ ?」と聞いた。

「パロミノ だ」と牧童が言った。

「そう、そう、あんたの友達は 皆、 俺の友達だ。 そのポニーを買いたいもんだな」と 男は言った。

牧童は答えた、「断っておきますが、それ、 牧師さんのだったんですよ。
馬を動かしたかったら『主よ』、 止めたかったら『アーメン』って 言わなくちゃなりません」

「試させてくれ」と 買い手は言った。

彼はまたがって「主よ」と言った。
馬はすばやく動き出し、やがて山中に駆けあがっていった。
「主よ ! 主よ ! 」と 叫んでいると、確かに馬は動くのだった。
突然、崖の淵が迫って来て、男は動転し「ドードー ! ドードー ! 」と叫んだ。
しかし、 駄目だった。
思い出して「アーメン」と言うと、まさに 崖っ淵のところで馬が止まった。

ほっとして額をぬぐいながら、男は言った「主よ ! 」



「あなたに対して 私自身を開くために、何かできることはありますか」と あなたは 尋ねている。
「主よ ! 」と言いなさい、そうすれば他のことは 皆ひとりでに起こるだろう。



(第三の質問)終わり・・・第四の質問へ 続く