saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第1話ーーー七段の梯子 (02)

(これらの経文に耳を傾けるがいい
これは大蔵の中でも最も重要な経典なのだからーー)

それだからこそ
これは “心経 (The Heart Sutra)”と呼ばれている
これは仏教のメッセージのまさにハートそのものなのだ


ただし,私は一番の初歩からはじめたい
この地点から出発してはじめて
仏教は意味を持つ
あなたのハートの中に
自分はブッダであるということをしっかりと据えなさい
それが仮定的に見えかねない
ごく仮定めいて見えかねないというのはわかっている
あなたはそれを全面的には信じきれない
それは自然なことだ
その気持ちはよくわかる
それでも,それをそこに置いておきなさい
ただし,ひとつの種としてーー
その事実のまわりに,たくさんのことが起こりはじめるだろう
そして,その事実を中心として
はじめてこれらの経文は理解され得ることだろう


これは非常に強烈だ
ごく短い,ごく凝縮されてはいる
種のようなものだ
だが,自分はブッダなのだ
自分は芽生えつつあるブッダなのだというこの土壌があれば
心の中にこのヴィジョンがあれば
ことは違ってくる
自分は潜在的に〈ひとつ〉になる能力を持っているのだーー
何ひとつとして欠けてはいない
すべて整っているのだーー
ただ物事が正しい順序に並べられねばならないだけ
もう少しの覚醒が必要なだけ
もう少しの意識が必要なだけで,〈宝〉はそこにあるーー
自分の家の中に小さな明かりを持ち込むだけで------
一度暗闇が消え失せたら
あなたはもう乞食じゃない
あなたはひとりのブッダなのだ
あなたはひとりの君主なのだ
ひとりの帝王なのだ
この全王国はあなたのものなのだ
しかも,それはお呼びを待つばかり
あなたはただそれが自分のものだと宣告すればいいだけなのだ


だが,自分は乞食だと信じていたら その宣告はできない
自分のことを乞食だと思いこんでいたら
その宣告もできなければ
それを宣告することを夢に見ることすらできない


あなた乞食だ
あなたは無知だ
あなた罪人だ,というこの観念は
時代から時代へと,幾多の説教壇の上から説かれ続けてきて
あなたの中でひとつの深い催眠術になってしまっている
この催眠術は解かれねばならない
それを解くために,私は
“ あなたの内なるブッダにごあいさつします ”とはじめる


私にとって,あなた方はブッダたちだ
悟ろうとするあなた方の一切の努力は愚かしい
この基本的事実を受け容れずして------
あ な た は そ れ な の だ !
これが暗黙の了解にならなくてはいけない
これが正しい出発点だ
さもなければ,あなたは道を踏みはずしてしまう
これこそ正しいはじまりだ
このヴィジョンから出発するがいい
そして,これが
“ 自分はブッダである ”というある種の自我(エゴ)をつくり出しかねないのを思い煩うこともない
心配無用ーー
というのも,心経の全プロセスそのものがあなたに
自我(エゴ)こそ唯一存在しないものであることをはっきりと示してくれるだろうからだ
存在しない唯一のもの ! ーー
ほかのすべては本物(リアル)なのだ



(03)へ続く