06
聞いた はなしだがね……
或る人が、スーフィの神秘家の一人 ジュネッドに 言った。
非常に邪悪な男が あなたの話を聴きに来ています。
その男にあなたは、あなたと親しく親密になることを ゆるしておられるが 追い出したほうがいい
あれは 善人ではありません。
ジュネッドは 言った。
もし神が〈実在〉から彼を 追い出そうとしないなら
私にどうして彼を 追い出せよう ?
もし〈神〉が 彼を受け容れるなら……
私は〈神〉に優越してなどいないんだよ。
〈神〉が彼に 生命を与えた
〈神〉が彼に 生きるのを助けている。
それにあの男は まだ若くて元気だ。
きっと長生きするだろう、あなたより 長生きするだろう。
だから そんなことを決めるとしたら
いったい 私は 何様だね ?
〈神〉は 善と悪の 両方に降り注ぐ。
〈神〉にとっては 善も悪もない という情況
この情況は まったく はっきりしている
ガラスのように はっきりと清明だ。
私が〈神〉と 言うときには
天空のどこかに坐っている人を 意味するわけではない。
それは 人間中心の姿勢というものだ。
私たちは 自分たちのイメージで〈神〉を知覚する。
が、そこに坐っている人などいはしない。
〈神〉とは 全 体 、〈実在〉の全一性(トータルティ)を 意味する ーー
悪人は善人と 同じように立派に呼吸する。
罪人は聖人と同じように〈実在〉に 受け容れられる。
〈実在〉は どんな区別もつけない。
が、二元的な考え方のゆえに
ーー キリスト教徒や 回教徒、 ゾロアスター教徒たちのように ーー
私たちは 対 立 す る も の という見方で 考えてしまうのだ。
「06」おわり…「07」へ つづく
『マイ ウエイ』⚪流れ行く白雲の道
バグワン・シュリ・ラジニーシ
🔘質疑応答集
話者 バグワン・シュリ・ラジニーシ
翻訳 マ・アナンド・ナルタン
発行者 スワミ・アナンド・シャンタン
発行 RPJ
発売 株式会社 めるくまーる社