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( しかし、この拒否というのは
両親によって つくり出されたもの )
子供というのは きまってたいへんな発見家だ。
そして もちろんのこと
子供は まず自分の 身体を発見することから始まる。
ふむ?
それこそ 子供にとって いちばん近い実在物だからだ。
子供は 月には行けない、エヴェレストには登れない。
それらは非常に 遠いもの
いつの日にかは 行くこともできよう。
しかし 今現在のところでは
いちばん近いのは 自分自身の身体だ。
子供は それを発見しはじめる。
自分の身体に触って、それを楽しみはじめる。
ようく見ていてごらん
小さな子供が 自分の足指に触れているのを……
嬉しそうだ、ほんとうに楽しそうだ
たとえ月に行ったとしても あなたは こんなに嬉しそうにはなれないだろう。
彼(彼女)は 自分の身体を発見したのだ !
その足の指に触って楽しみ
そしてまた それを口に持っていく、ん?
こういったことが 子供の 発見の方法なのだ。
味わい、嗅ぎ、触れてみること……
ところが
子供が 性的な部分に近づいてくると
両親は 落ち着かなくなる。
この動揺は 両親の中にあるものであって
子供の中に あるものではない。
子供は どんな区別もつけない
足の指であろうが 性器であろうが 同じこと。
今までのところ 身体は分割されていない。
身体は 一全体としてそこにある。
指、 眼、 鼻、 性器、 足……すべてが 一つの流れ
低いとか高いとかの 区別はない。
ヒンドゥの人たちは 分割する。
世界中 到るところ、どんな文化にも分割がある。
ヒンドゥたちは言う。
ヘソから下は けっして右手で触れてはならない
なぜなら ヘソから下の部分は 汚いからだ。
ヘソから下は 左手で触ること
ヘソから上は 右手で触る ーー
身体が 分割されている !
そして この分割は 深く人間の内部(マインド)にまで浸透して
私たちは 何でも 右と左に分けてしまう。
ーー 英語では〝 右 right 〟は 善い正しいことを意味し
あなたは正しいと言うときは You are right と言う ーー
〝左〟は 悪いことの 代名詞だ。
だから誰かを非難したかったら
ただ こう言うだけでいい。
あの人は 左がかっていてね、左ききでね……
〝左〟は 咎められる ーー
子供は どれが左で どれが右かは 知りもしない。
子供は全一だ、子供は 統一体だ。
彼らは どちらが低級で どちらが高級なのか知りはしない。
彼らにとって身体は 分割などされない 一つの流れだ。
子供は すぐに自分の性器を 発見するようになる。
と、両親は 動揺する。
男の子で あろうが 女の子であろうが
子供が性的な器官に触れるたびに あなたは 即座に言う。
触っちゃ いけない!!
そして子供の手を そこから除ける。
子供は ショックを 受ける。
あなたは子供に 電気ショックを与えたのだ。
子供には あなたがしていることが 理解できない。
これは 何回も起こる。
あなたは そのたびに子供の内(なか)に
その身体の 或る部分は拒否されなければならない
身体の性的な部分は 悪いものだということを たたきこむ。
心理的に あなたはコンプレックスを つくりだしている。
子供は 成長してからも
自分の生殖器を 受け容れることはできないだろう。
もし
自分の肉体を全面的に受け容れることが できなかったら
問題が生じてくる、トラブルが起こってくる……
ともに寝て 愛を交わしても
性行為の中に入っていっても
そこに 罪悪感がある
何か まちがいを犯しているような 気になる
何か 基本的に不正なことが 起こっているような……
そして自分自身を 咎めるのだ。
愛を交わすという、この世にも美しいことを
人は 咎め、罪悪感をもつ
だから全一性をもって セックスできない
全一性をもって 相手の内に向かっていけない。
どこかで 踏みとどまっている。
半分だけは その内に入って行くが、半分は抑制される。
これが 葛藤を生みだして
愛は 何かみじめなものになる ーー
これは、〈生〉の あらゆる次元で 起こることだ。
あらゆるものごとが みじめになる。
というのも
あらゆるものごとを 両親が分割してきたからだ。
あれは 善いが、これは 悪い……
このためにこそ あなたがたは みじめなのだ。
あなたがたの 両親、社会のゆえに !
同じことを 自分の子供たちに してはならないよ。
あなた自身 分割されているのだから、それは非常に むつかしいことになるだろう。
あなたもまた 子供を分裂させたい。
無意識に そう思っている !
しかし
もしあなたが 敏感に 心していられたら……
「11」おわり…「12」へ つづく
『マイ ウエイ』⚪流れ行く白雲の道
バグワン・シュリ・ラジニーシ
🔘質疑応答集
話者 バグワン・シュリ・ラジニーシ
翻訳 マ・アナンド・ナルタン
発行者 スワミ・アナンド・シャンタン
発行 RPJ
発売 株式会社 めるくまーる社