saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第3章「覚醒の炎」by OSHO (16)


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(16)

(マハヴィーラは 立ったまま、ちょうど呼吸が身体の中を めぐるのと同じように、空腹感が体内をめぐるのを 見守っていた。)

 

十二年間の沈黙の期間に、マハヴィーラは おおよそ十一年間 断食したと 言われている。

彼は 十二年間に 三百六十日しか、物を食べなかった。

空腹を使うことが、彼の方法だった。

生に おいては、食べ物と セックスは、ちょうど呼吸のように 最も深いものだ。

 

空腹の感覚を さらにさらに意識し続けて何もせず、ただ意識し続けていけば、突然、あなたは あなたの中心、あなたの実存へと 投げ出される。

まず最初に、空腹感は表層からやって来るからだ。

そして、あなたが その表層に注意を払わなければ、さらに深い層が空腹を感じるようになる。

もし それらの より深い層にも 注意を払わなければ、さらに深い層が 空腹を感じてくる。

それが ずっと続いていく。

そして 最後には、全身が空腹に なり始める。

全身が 空腹を感じると、あなたは中心へと 投げ出される。

 

あなたが 空腹を感じる時、それは偽の空腹だ。

本当のところ、それは 多かれ少なかれ 習慣性のものであり、空腹ではない。

もし ある決まった時間、いつも 午後一時に 昼食を食べていたら、一時になると 空腹を感じ始める。

それは、身体とは 全く関わりのない偽の空腹だ。

たとえ 一時に昼食を食べなくても、二時になれば、あなたは空腹が 消え去っていると 感じるだろう。

 

もしそれが 自然だったとしたら、その空腹感は もっと強くなったはずだ。

では、どうして その感覚が消え去ったのか ? 

 

もしそれが 本当だったら、二時になれば もっとその感覚を感じ、三時になれば さらに、四時になれば 一層強くその感覚を感じていたはずだ。

だが、空腹の感覚は消え去った。ということは、それは ただの習慣、ごく表層的なことだった。

 

たとえば、大変 太った人が 三週間 断食すると、その人は 初めて本当の空腹を 感じられる。

その時 初めて、彼は 本当の空腹が どんなものかを知る。

今の時点では、空腹が セックスと同じように強力だとは、あなたは 決して感じられない。

空腹は もっと強力なものだ。

もっとも、それは本当の空腹だけだが。

だから あなたが断食している最中、性欲が消え去る ということが起こる。

今や、もっと基本的なことが 危機にさらされているからだ。

食物は 生き残るためのものであり、セックスは 種族保存のためのものだ。

セックスは あなたとは関係のない離れた現象だ。

セックスは 種族の食物であり、あなたのためではない。

やがて あなたは 死んでいく。

が、セックスを通して、人類は生き残ることができる。

だから それは実際、あなたの問題ではない。

それは 種族保存という問題だ。

あなたは それを脇に 置くことさえできる。

が、食物のことを 脇に置くことはできない。

というのも、それは あなたの問題だからだ。

それは あなたと関係がある。

だから、断食し続ければ、徐々に、セックスは 消え去っていくだろう。

それは もっともっと、遠くへ離れていく。

 

そうした理由で、多くの人々が 自分自身を欺いている。

彼らは 食物を減らせば、禁欲者、性超越者になれると思っている。

彼らは 性超越者ではない。

問題が 入れ替わっただけだ。

身体に 適切な量の食物を 与えると、性欲は戻ってくるだろう・・・以前より もっと新鮮になり、もっと 生き生きとして。

 

 

(16)終わり(17)終回へ 続く