saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第12章 二番目の質問 (03)


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(03)

(…「外の世界が 暗闇以外の 何ものでもない」と あなたが 感じはじめた時、そのとき初めて 内側の旅、内なる生の旅 が始まる。

あなたの目が 内側へ向かない限り、光は 見い出せない )

まず最初に、 意識して 欲求不満であること。

だが、それだけでは 充分ではない。

それは必要だが、それだけでは足りない。

自分自身に飽きたりなさを感じながらも、生きることはできる。あなたは、ただの生きた屍にすぎない。

あなたは 死んでいるも同然だ −−− 自分自身、重荷になっている。

 

意識して欲求不満であるのは 必要だが それだけでは 充分ではない。

 

理解すべき 二つ目は、今のあなたが どんな人間であろうと、それは 自分のせいだということ。

我々は

「私が こうなのは 私の運命であり、聖なる創造者のせいであり、遺伝のせい、環境のせいであり、社会のせいだ」と 言う。

自分が どんな人間であろうと、いつも 何かのせいであり、誰か 他人のせいだ とする。

それは 天国の神のせいかもしれないし 

生物学の本に書かれている 遺伝のせいかもしれない。ただ、共産主義社会に 生まれ合わせたからかもしれないし、フロイト説の、ただの幼年時代の心の傷のせいかもしれない −−− が、自分以外の 何か他のせいにする。

あなたには責任はない。社会はその原因を変え続ける。

ある時は、神が あなたという存在の原因だとして 

あなたは 気が 楽になる。

 

そんなふうに とれば、どんな人間であろうと 

自分では どうすることも できない、ということになる。

ある時は、それは カルマのせいだ。

今あるあなたという人間を 作り出したのは 

過去の カルマのせいだ。

だから どうすることもできない。

 

共産主義者は、それは 社会のせいだ と言う。

共産主義者は、この社会を作る要因は 

意識ではない と言う。

反対に「意識のあり方を決定するのは、社会だ」と 言う。

あなたは ただの車輪の中心だ。

あなたは他の要因によって決定されてきた。

あなたはいいように扱われてきた。

あなたという存在は 二次的なものだ。

だから、あなたには責任がない。

 

そしてフロイトを信奉する者たちは「あなたを そうさせているものは、マルクスが言うように経済ではない。

本当は、あなたという人間を決定しているのは、子供時代の精神的環境だ」と語る。

「だから、今のあなたが どんな人間であろうと、子供時代の七年間が、今のあなたを決定している」と。

あなたは、もう再び 子供にはなれない。

そして、幼年期の七年は変えられない。

だから、あなたがどんな人間であろうと あなたのままだ。

精々、精神分析を受けることで 自分自身を調整できるぐらいだ。

そしてあなたは「それならいいや、もうどうすることも できないんだから。俺は俺のままだ」と感じ始める。

そして、再び投げやりになり始める。

あなたは自分自身に飽きたりなさを感じる。

 

それは 否定的な 部分だ。

 

肯定的な 部分、二つ目は、今のあなたが どんな人間であろうと、自分のせいなのだと心に留めておくことだ。

社会が その役割を果たしたのかもしれない。

運命でさえ、その役割を果たしたのかもしれない。

あなたの子供時代も また、その役割を果たしたのかもしれない。が、最終的には あなたの責任だ。

その感覚が あらゆる宗教の根本だ。

だから、もしフロイト主義者とマルクス主義者が勝利を得れば、宗教は消え去ってしまうだろう −−− 

宗教の根本は「あなたは 変容できる、あなたは自分自身を変えられる」という可能性にあるからだ。

そして その可能性は、今の 自分という人間が こうなのは 自分自身のせいだと感じ 受け止めるか、あるいは そうではないと感じ 受け止めるかかに かかっている。

 

もし私という人間が、ただ自分の細胞や 遺伝で決定されるとしたら、私に 何ができるだろう ? 

私には、自分の身体の細胞を 変えることはできない。

それは 不可能だ。

もし私の細胞が 始めから決められているプログラムを持っているのなら、それが どんどん現れてくるだろう。

私に 何ができる ? 

もし神が 全てを決めているとすれば、私に何ができる ? 

決めているのが 神であれ 遺伝であれ、子供時代のものであれ 違いはない −−− そんなものは関係ない ! 

 

根本的なことは、もしあなたが 自分の責任を 何か他のもの、X、Y、Z に 転嫁しているなら、内側に 入っていけない ということだ。

 

 

(03)終わり(04)へ 続く