saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第6話 ーーー Q&A 二番目の質問 (02)

…( ひとりの友人が 私に 新聞の切り抜きを送ってくれた )

85歳になる ナーディン・ステアという老人が
ジャーナリストに,もし彼が もう一回生きるとしたら どういう生き方をしたいか 聞かれた

すると,その老人は こう言った

「もし私が生き直すとしたら
この次は 思い切ってもっと過ちを犯したい
私は リラックスして,柔らかくなって
今回の トリップよりも馬鹿になってみる
深刻にとる物事の数も減らしたい
もっと 冒険をしてみるだろう
もっと 旅行するだろう
より多くの 山に登り
より多くの 川で泳ぐだろう
もっと豆を減らして アイスクリームを食べたいな
おそらく実際のトラブルは多いだろうが
架空のものは 少なくなるだろう
わかるだろう ?
私は 一時間一時間,一日一日
気を利かせて まっとうに生きる その手の人間だったんだ
ああ,いい時も あるにはあった
しかし,もしもう一回 やり直せるとしたら
もっと ああいうのを味わいたいもんだ
実際のところ,ほかには何もいらないよ
ただ瞬間だけ
一瞬一瞬だ
毎日,この先 何十年も生きていくことを考える 代わりにね
私は 温度計と魔法びんと レインコートと パラシュートなしでは
けっしてどこにも行かないような その手の人間のひとりだった
もし もう一回やり直せるとしたら
いままでよりは身軽に旅をしてみたい
もし人生を 生き直せるとしたら
春は もっと早く裸足になって
秋は もっと遅くまでそうしていたいものだ
もっとダンスに行くだろうし
もっとたくさんメリーゴーランドに乗るだろう
もっとたくさんのデージーを摘んでみよう」

この中には 偉大な洞察がある
これを心にとめておくがいい

そして
それが サンニャーシンについてのヴィジョンでもある
この瞬間を可能な限り トータルに生きなさい
あまり まっとうになりすぎないこと
過剰な正気というのは 狂気につながるものだから ーーー
あなたの中に ちょっぴりクレイジーさも存在させなさい
それが生に 風味を与えてくれる
それが生を 水気のあるものにしてくれる
つねに ちょっぴり不合理を 残しておくがいい
それがあなたに 茶目っ気を持たせてくれる
それがあなたの リラックスするのを助けてくれる
正気の人というのは 完全に頭(ヘッド)に引っかかってしまっている
彼は そこから 降りられない
彼は “二階” で生きているのだ
隅から隅まで生きなさい !
これは あなたの家なのだ
二階
よろしい
一階 ーーー
完璧に よろしい
そして,地下室も また素敵だ
隅から隅まで 生きてごらん
これは あなたの家なのだ
そして 次回など待たないこと
私は この老人にそう言いたい
なぜならば,次回など けっして来やしないからだ


あなたが ふたたび生まれてこないと言うのじゃない
あなたは また生まれてくるだろう
だが,そのときには あなたは忘れている
そのときには またABCから出発だ
この老人は 前にもいた
彼は これまで何百万回も いたに違いない
そして私は はっきり断言できる
毎回のように
だいたい 85歳になると 彼は同じような決心をする
次回こそ 違ったやり方をしてやろう ーーー

だが,次回になると あなたは 覚えていない
そこが 問題だ
あなたは 過去生の記憶など 一切なくしてしまう

そうして,またしても あなたは ABCから出発し
同じことが 起こる
だから,私は あなた方に 次回を待て などとは言うまい
この瞬間を ひっとらえるのだ !
これが 存在する 唯一の時だ
ほかの時など 一切ない

たとえもし 85歳であろうと
あなたは 生き始められる
それに,85歳になって 失うものなど 何がある ?
ん? たとえ春の浜辺を 裸足で歩こうと ? ーーー
たとえ もしそこで死んだところで どこもおかしくはない
浜辺で裸足で死ぬのこそ 正しい死に方だ
デージーを摘みながら 死ぬのこそ 正しい死に方だ

あなたが 85歳であろうと 50歳であろうと
そんなことは問題じゃない
この瞬間を つかまえなさい
ひとりの ゾルバで いるのだ


あなたは
“ ほんの好奇心なのですが,『ギリシャゾルバ』という本をお読みになったことがありますか ? 私はそれが大好きです ” と聞く



(02)終わり・・・(03)へ 続く