「あなた自身が問題……」03
( 私たちは エゴの周りで生きている )
私たちは ますますエゴイスティックな旅を求めている。
ん? 或る者は 富を通して
或る者は 地位や権力を 威厳を通して
或る者は 政治を 通して
或る者は 宗教や聖職を 通して―――
何百万の人たちが その途上にある。
が、その目的、結果、行き先は同じだ。
“私”を もっともっと求めること。
あなた方にとっては それこそが現実だ。
私は もう一度言う。
それこそ、あなた方にとっての 唯一の現実(リアリティ)だ と……
虚偽が 本物(リアル)に なってしまった !
影が実体に なってしまった !
だから ことはむつかしい。
エゴが強力だから むつかしいのではない。
いや そうではなく
あなた方が 依然としてそれを、その力を信じているから むつかしい。
信じ込んでいたら それはむつかしいことになる。
というのは、一方で あなた方は それを落としたいと思い、他方では それに執着しつづけるからだ。
これでは むつかしいことになる。
私が あなた方に
これは夢だ、と言うとき
あなた方は それを信じたい。
なぜなら あなた方は、それを通じて充分すぎるほど苦しんできたからだ。
私の言っていることの真実さを 感じとったゆえに信じたいのではない。
もしあなたが、私の言っていることの真実性を 感じたら
自我(エゴ)など即座に落とすだろう。
いかにして ? などとは問わずに ただ落とす。
それに対する “いかに ?” など ありはしない。
その核心を見ることで あなたはすでに 落としている―――
が、 あなた方は
私の言っていることの真実性を 見ない。
エゴとは偽りのもの、落とすことのできるものだということが 理解されていないと 私が言うとき
エゴとは 落とせるものだと言うとき
あなた方は そこに希望を見てしまう。
エゴのために あまりにも苦しんできたものだから
もし エゴが落とすことのできるものなら、苦しみもまた すべて落とすことができるのではないか という希望をいだく。
そして この希望を得て 大いに幸福になる。
私は そんな希望を創り出しているのではない。
希望を創り出しているのは あなた方のほうだ。
私は ただ事実を述べているにすぎない。
これが エゴの構造だ、エゴは このようにつくられる……
そして、このように エゴは落とすことができる……
と 述べているだけだ。
偽りであるがゆえに 努力はいっさい必要ない。
その正体を見るだけで、それは消えてゆく。
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