saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第九章 「 浄土楽園 」 (02)

(… ディーパンカラは いまだかつて、ほかの誰にも そのようなことをしたことはなかった

そこで、仏陀は訊ねた

「何をなさったのですか ?

なぜ 私の足に 触れたのですか ?」)

私は罪人です、無知な人間です

あなたの足に触れるのは 正しいことですが、あなたが 私の足に触れるのは理不尽です

あなたは 狂ってしまわれたのですか ?」

 

ディーパンカラは また笑って、言った

「そうではない、ゴータマよ

おまえが とまどっているのは自分の未来を 知らないからだ

私は 狂っていない

おまえは やがてブッダになる

私は それが起こっているのが 見える

ただ その事実に敬意を表するために、私は おまえの足に触れたのだ

さらに、 光明を得た者に とっては、すべてが光明を得ている

それは ただ時間の問題だ

それは たいしたちがいではない

私は、今日、光明を得た

おまえは、明日、光明を得る

ーーーそれは 問題ではない」

「〈光明〉は あらゆる人、 あらゆる存在に 起こる

おまえはそれを 遅らせつづけることはできる

それは おまえしだいだ

遅らせることを やめた瞬間

延期することを やめた瞬間

それは そこにある

それは ずっと、おまえが それに気づくのを 待ってきた」

これは 最も美しい物語の ひとつだ

ディーパンカラが ゴータマの足に触れたことは ーーー

そして、ゴータマは 名もない男だった

何世紀も後に、ほぼ三千年近く 過ぎた後に、ゴータマは 光明を得た

彼が最初に したことは、 ディーパンカラに 頭を下げることだった

そのとき、 ディーパンカラは いなかったが、彼は おじぎして、笑って 言った

「いま、私は、なぜあなたが 私の足に 触れたのか、理解しています

いまや、私は あらゆる人の足に 触れることができます

いまや、私は 生きとし生けるものが光明を得ることを知っています」

 

〈光明 エンライトンメント〉は 自然な 出来事だ

私たちが それを妨げなければ、それは当然 起こる

あなたは それを 達成しなければ ならないの ではない

あなたは ただそれを 妨害しないことだ

あなたは、 それを 千と一つのやり方で 妨害している

あなたは、 それが起こるがままに まかせていない

それが 起こりはじめるとき、あなたは おそれる

それがあなたを 所有するとき、あなたは それだけの所有を 与えることができない

あなたは 後ずさりし、撤退する

あなたは 自我(エゴ)という ちっぽけな細胞のなかに戻る

そこでは 自分が守られていて、防衛されている、安定している と 感じる

 

〈光明〉は 不安定という 大空だ

それは 広大だ、 それは 海図なき大洋だ

その旅は、ひとつの未知から もうひとつの未知へと 向かう

知ることができるものは 何もない

 

(02)終わり・・・(03)へ 続く