五日めの朝〔1974年 5月 14日: バグワン-シュリ-ラジニーシ〕
(質問)
バグワン = OSHO ーーー
あなたは、自我(ｴｺﾞ)は 今この瞬間にも落ちることができると言いましたね。
少しずつ落とすことはできないのですか？
落ちる とは、この瞬間に
いつも 今のこの瞬間に起こる。
漸進的な、段階的なプロセスなどそれにはない。
そんなことは ありえない。
その起こり方は 瞬間的だ。
あなたがたは それに対して用意することはできない。
準備を ととのえることはできない。
なぜなら あなたがたのすることは何であれ
ーー 私は “何であれ” と言う！ーー
自我(ｴｺﾞ)を強めることになるからだ。
どんな段階的なプロセスも 努力であることに変わりはない。
つまり あなたの側で為す 何かだ……
となると あなたは、その努力を通じて ますます強くなる。
もっともっと強くなる。
段階的なものは すべて自我(ｴｺﾞ)を助けるだけ。
まったく段階的でない動き
プロセス(過程)というより ジャンプのようなもの
過去を断絶する何か、過去との連続性をもたない何か
それがあって はじめて自我(ｴｺﾞ)は 落ちる。
が、私たちは この自我(ｴｺﾞ)とは いったい何なのかを理解できないものだから、問題が起こってくる。
エゴとは過去、過去との連続性ーーー
エゴとは
あなたが 今までに為した すべて
あなたが 今までに蓄積してきた すべて
カルマ(業)の すべて
教育され条件づけられたこと すべて
欲望 すべて
過去
育(はぐく)んだ 夢の すべて------
過去全体が エゴだーーー
そして もしあなたが、段階的なプロセスというかたちで考えるとしたら、あなたは過去を もちこむことになる。
エゴが落ちるのは 段階的ではない。 急激だ。
それは 或る断絶ーーー
過去は もはやなく、未来も もうない。
あなたは “ 今ここ ” の内に ひとり残される。
そうなったら エゴは 存在することができない。
エゴが存在できるのは 記憶を通してのみだ。
あなたが誰であって、どこから来て、誰とどう結ばれているか------
母国、人種、宗教、家族、伝統、そして、
今までに受けた傷、傷あと、それに よろこび------
過去に起こった すべてーーー
その 起こったすべてが 自我(エゴ)なのだ。
そして “ あなたは
これらのこと すべてが起こった 対象だ ”。
この区別を 理解しておかなければならない。
あなたは
それら すべてが起こった “ その人 ”
だが エゴとは “ 起こったこと そのもの だ ”。
エゴは あなたのまわりを 取り巻く、そして
あなたは その中心に在る。 エゴの無いまま------
子供は生まれるときは、まったく新鮮で若い。
過去もなければ エゴも無い。
子供たちが美しいのは このためだ。
彼らには どんな過去もない、若々しくフレッシュだ。
彼らには “ 私 ” と称することができない。
いったい どこから その “ 私 ” をもってくるのだろう？
この “ 私 ” というのは 段階的に徐々に発展するもの。
子供たちは まず教育され、褒美をもらい 罰を受け
称賛され 非難され---
そのうちに “ 私 ” が 集められる。
子供が美しいのは そこに 自我(ｴｺﾞ)が無いからだ。
老人が醜いのは、その齢(よわい)のせいではない。
その 過剰なまでの過去、過剰なまでの自我(エゴ)のゆえだ。
老人も、またふたたび 子供のように美しくなることができる。
いや もし 自我(エゴ)を 落とすことができたら
子供以上に 美しくなることだってある。
そうなれば 第二の子供時代が来る、再生が---
これこそ イエスの復活の意味。
イエスの復活は 歴史的事実ではなく、一つの寓話だ。
彼は 十字架にかけられて、それから復活する。
十字架にかけられた その人はもういなくなる……ん？
大工の息子イエスだった その人は
今や はりつけにされて死んでいる。
と、そこから一つの新しい実体が あらわれる。
その死から 一つの新しい生命が誕生したのだ。
それが キリストだーーー
ベツレヘムの 大工の息子ではなく
ユダヤ人でもなく、いや 男性という性すら超えた存在
それが キリストだーーー
新しく、そしてエゴ無しの存在。
同じことが あなたがたにも起こるだろう。
あなたがたのエゴが 十字架にかけられるとき
そのエゴが はりつけにされるとき
そこには かならず復活が、再生がある。
あなたは もう一度誕生する。
この子供時代は 永遠のもの
なぜなら霊魂(ｽﾋﾟﾘｯﾄ)の再生であって、肉体の再生ではないからだ。
こうなったら あなたはけっして年を取らない。
常に常に 絶えることなく あなたは若くて新鮮(ﾌﾚｯｼｭ)だーーー
朝まだきの露のしずくのようにフレッシュで
夕闇に光る一番星のようにフレッシュだ。
あなたは いつもいつも、新鮮で若く
子供のように 無垢でいつづけるだろう。
なぜなら これは霊魂の復活だからだ。
これは かならず一瞬のうちに 起こる。
自我(ｴｺﾞ)とは 時間だ。
時間が あればあるほど自我(ｴｺﾞ)はふくらむ。
自我(ｴｺﾞ)には 時間が必要だ。
もし深く浸透していったら あなたがたにも
時間が存在するのは 自我(ｴｺﾞ)があるからにすぎないことが把握できてくるかもしれない。
時間とは あなたを取り巻く物理世界の一部ではない。
それはあなたの内側にある心霊世界の、精神(こころ)の世界の一部だ。
時間は
自我(ｴｺﾞ)が発達し成長するための空間としてあるもの。
部屋が 必要なのだ---、時間が その部屋を与えるのだ。
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