saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第七章「第十の音の技法」04

「第十の音の技法」04

 

( 突然 恐ろしいことが あったりすると、直腸は 開く )

だから ときによって、恐怖のせいで脱糞したり、恐怖のせいで 失禁することがある。

コントロールできなくなるわけだ。

突然の恐怖に とらわれると、膀胱は弛(ゆる)み、直腸は弛む。

いったい どういうことか。

恐怖の中で なにが起こるのか。

恐怖とは 心理的(メンタル)なものだ。

だとしたら なぜ恐怖の中で失禁するのか。

なぜ コントロールが失われるのか。

きっと そのふたつを結ぶ 深い根があるに違いない。

 

  恐怖は 頭の中で起こる。   マインドだ。

恐怖がなければ、こんなことは けっして起こらない。

子供の場合、必ずしも身体に対する コントロールがあるわけではない。

また どんな動物も、自分の尿や膀胱などコントロールしない。

膀胱がいっぱいになったら いつでも放出する。

それをコントロールする動物はいない。

しかし、人間は必要上 それをコントロールする。

私たちは 子供に コントロールを強制し、トイレに行くべきときと そうでないときを教え込む。

コントロールの必要性と そのタイミングを教え込む。

それでマインドが それを引き受け、不随意な機能をコントロールしようとする。

だからこそ、子供に 下(しも)の しつけをするのは難しいのだ。

現代の心理学者によると、もし私たちが 下のしつけを やめれば、人類は ずっと改善されるはずだという。

 

  下のしつけは、子供とその自然な自発性に対する 最初の抑制だ。

しかし 心理学者の言葉に従うのは 少々難しい。

もし 従ったら、きっと子供たちは いろんな問題をひき起こすだろう。

私たちは必要上、子供たちを 躾(しつ)ける。

子供のなすがままに任せておけるのは、どこまでも豊かで 裕福な社会だけだ。

貧しい社会では どうにか対処するしかない。

私たちには そんな余裕がない。

もし子供が どこにでも小便をしたら、もう お手上げだ。

子供が ソファに小便をしたら、もう どうしようもない。

だから 躾けが 必要だ。

この躾けは 心的(メンタル)なものだ。

身体には それに対応する仕組みがない。

 

  身体に関するかぎり、人間は 動物だ。

そして 身体は 文化も社会も知らない。

だからこそ 深い恐怖の中では、身体に強制されたコントロール機構が 弛むのだ。

もはやコントロールが きかなくなる ーー コントロールの範囲外に 放り出されてしまう。

コントロールできるのは 普通の状態のときだけだ。

緊急事態になったら、もうコントロールできなくなる。

なぜなら、緊急事態への訓練が まったくなされていないからだ。

日常 一般の世界に向けた訓練しかされていない。

緊急事態になったら、コントロールできなくなってしまう。

そして身体は自分にそなわった 動物的な仕方で働き始める。

 

  ところが 次のようには言える。

恐れを知らない人間には、このことは けっして起こらない。

だから これは臆病者の印となってきた。

 

  恐怖の中で 失禁や脱糞をすること、それは 臆病者だということだ。

恐れを知らない人間は、そんなふうには ふるまわない。

恐れを知らない人間は、深い呼吸を している。

身体と呼吸方式が 結びついている。

隙間(ギャップ)が ない。

 

臆病な人間には 隙間がある。

そして その隙間のせいで、いつも過重な尿と便を負っている。

緊急事態になると、その過重を捨て、重荷を下ろす必要がある。

それは 自然なことだ。

重荷を 下ろした臆病者は、腹部がリラックスする。

だから逃げるのも 楽になる。

走るのも 楽になる。

重荷を負った腹部は 邪魔になる。

だから リラックスは 臆病者の役に立つ。

 

  なぜ私が こんな話をするのか。

それは マインドの動きと 腹部の働きについて知る必要があるからだ。

その両方は 深く関連している。

心理学者によると、人間の夢の 五十から九十パーセントは 腹部の働きによって起こる という。

たとえば、ひどくヘビーな食事をとったら、必ず悪夢を見る。

それは マインドに関係していない。

重たい腹部から 生じる。

 

  いろんな夢が 外的な要因から 生じる。

 

 

 04 おわり…05へ つづく

 

 

 

タントラ秘法の書   第四巻

「沈黙の音」

ヴィギャン・バイラヴ・タントラ

 


講話   OSHO

翻訳   スワミ・アドヴァイト・パルヴァ

            (田中ぱるば)

発行者   マ・ギャン・パトラ

発行   株式会社 市民出版社