saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第九章 超越するものと一体になる (07)

それで、人々は 愛を渇望する。
愛を渇望する理由は これ以外にない。
あなたは、自分を 物としてではなく、人として見てほしい。


あなたは歯医者に行く。
歯医者は あなたのことを気にかけない。
歯にしか 興味がない。
私が行ったとしても ーー 歯医者が見える・・・何という奇跡だ !
彼は私に 興味がない、歯しか見ていない。
私は歯医者にいて、椅子に座っているのだが、歯医者は 私のことなどすっかり忘れている。
まさにこの部屋で、偉大な空間を手にすることもできるというのに、私には目もくれない。
彼の関心事ではないのだ、歯と自分の技量にしか 関心がないのだ、物的知識の世界が、唯一の世界なのだ。


愛だけが、 あなたを 人にする、内面が姿を現せるようにする。

外から見えるあなただけが あなたなのではない、と 感じられるようにする。
だから、人々は 愛を渇望する。

あなたは 外見以上のもの、外見とはまったく異なるものだ。

鏡に映るあなたが、あなたの すべてではない。
鏡の象は、外面を映すだけで あなたの深みは 移さない。
あなたの深みのことは 何も語らない。

科学者や 外界に すっかり心を奪われている人のところへ行けば、その人は 鏡に映ったあなたが、まさしく あなたであるかのように 見るだろう。
あなたを見ずに、 あなたの周囲を見る。
直接に 見ないし、親しみも込めない。

それであなたは、何かを 失ってしまったように感じる。
彼が 接し方を間違うのは、あなたを 個性ある人間として受け入れていないからだ。
まるで 物のように あなたを扱う。
何かを しているが、あなたには まったく触れていない。
彼にとって、あなたは 存在しないも同然だ。


愛を込めて 触れられなければ、愛を込めて 見つめられなければ、あなたの内面は 満たされない。
内面の存在は 認められない。
だが、 それこそ 必要とされるものなのだ。


主体は、詩の、歌の、踊りの、音楽の、芸術の 次元、内的な 次元だ。
科学の次元より 深い、だから それよりはいい。
物的次元より 家に近い、だから それよりはいい。
だが 覚えておきなさい、それは 宗教の次元ではない。

客体にとりつかれたマインドの人が 大勢いる。
彼らが 神を考えるときは、神も 客体 になる。
神もまた 外に存在することになる。

キリスト教徒に、神は どこにいるか 聞いてごらん。
外を、 空のどこかを 見上げるだろう。

神はどこに と 尋ねられた人が、自分の 内部ではなく 別のところに目を向けたら、その人は 非宗教的次元にいる。

人々は、「神の存在を 証明するものは何か」と 尋ねる。

証明は 物にしか 要らない。
神に 証明は 要らない。

私が あなたを 愛しているとしたら、何が その証明となるのだろうか。
詩に 証明はない。
化学には あるが、詩には ない。
だが 詩は 存在する。

化学のない世界なら それほど悪くはないだろうが、詩のない世界は、まったく人間の世界ではなくなるだろう。


詩は 生に意味を与える。
証明されていないものが 生に意味を与える。
証明されたものは、人を 心地よくするくらいのことしかできない。

神は 客体ではないから 証明できない。
神は 音楽に 似ている。
神は 存在する、確かに 存在する。
だが、神は 掴めない。
拳の中に 握りしめたり、宝石箱に 閉じ込めたりすることは できない。
不可能だ。

愛は 存在する。
だが、 愛は 所有し得ない。

所有しようとするのは、あなたが 物的次元に 属し、愛を壊している ということだ。

だから、所有は 破壊的なのだ。

もし女性を所有すれば、「彼女は 私の妻、私のもの」と 言えば、もはや彼女は 人でなくなる。
あなたは 物にまで 引き下げた。
彼女は あなたを 許さないだろう。

夫を許せる妻は いなかった。
妻を許せる夫は いなかった。
ともにお互いを 物に貶めてきたからだ。

夫は 物、妻は 物、物になれば 醜くなる。
あなたは 自由を失う、内面を失う、詩を失う、恋愛を失う、意味を失う。
物の世界の 単なる物と なる。
役には立つ。
しかし、利用されるために 生きる者など いるだろうか。
利用されたのでは、満足は 得られない。
あなたは 利用されている、それで どうして満足できるだろう ?

利用されていると 感じれば、かならず怒りを覚える。
あなたは 怒るべきだ。
人を 利用したり、人に利用されることを 許すのは 罪だからだ。
それは 神に反している。


ところが、神を利用する人たちがいる。
願い事があって 祈りに行くとき、あなたは 神を 利用しようとしている。
あなたは 祈りを知らない、愛を知らない、詩を知らない、主体の領域のことは 全くわかっていない。

動機や願いが含まれていれば、祈りは醜い。
だが 私たちは とても狡猾で、様々な手段を見つけだす。



(07)終わり・・・(08)へ 続く