saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

問題は 一つだけーーー 11

(…このことは、深い瞑想のなかで起こることと まったく同じだ。)

そこでもまた、あなたは闘う。
あなたの 内なる存在が大きく開くと、そこに深淵が ぽっかり口をあける。

それは ちょうど渦巻のようなものだ。
そこで闘い始めたら、あなたは 粉々に打ち砕かれる。
あなたはそれを認めて 受け容れなければならない。

ただ それと共に動いていけばいい。
それと闘わないことだ。

ただ 一緒に動いていって、それが導くままに行くだけでいい。
あなたは 自分のエネルギーをしまっておいて、少しのロスもないようにする。
渦巻に乗って巻かれていくだけなのだから。


起こっていること全てを 楽しむがいい。

あなたは 渦の翼に乗って飛んでいるようなものだ。
一秒とたたないうちに あなたは底に引きこまれる。

その力は 途轍もないから、多くの人々を殺してしまいさえする。
そして ひとたび底の近くまできたら、簡単に それから脱け出すことができる。
いや 脱け出す必要もない。
渦の勢いは もうあなたを引きとめておくほど強くはない。
だから、あなたは そこからただ出ていくだけだ。


これとまったく同じことが 深い瞑想のなかで起こる。
あなたは 息苦しくなり、何かに掴(つか)まえられたような感じになる。
何かがあなたに乗り移ったようになり、何か強い磁力に 引きこまれていく。
あなたは抵抗して 闘い始めるだろう。

だが、もし抵抗すれば、あなたのエネルギーは 吸いこまれていくだけだ。


エスの言葉で、クリスチャンたちが、もう二千年も どう解釈したらいいのかわからない とても信じがたい言葉がある。
それは、「悪魔に抗(あらが)うなかれ」という言葉だ。
つまり、相手が悪魔であっても 抵抗してはならない ということだ。


もし抵抗したら 悪魔が勝つ。

あなたは ほんのちっぽけなエネルギーにすぎない。
抗うなかれ。

闘う ということ自体、あなたの負けを 示唆する。

ところが、闘わなければ 誰も あなたを負かすことはできない。

たとえ 非常に邪悪な力、悪魔が相手であっても、もし あなたが 闘うことをしなかったら、相手は あなたを 打ち負かすことはできない。

もし闘い始めたら、あなたは もうすでに破れたも同じだ。


闘いとなれば 失敗は目にみえている。
だが、
抵抗したり 闘ったりしなければ、失敗することは あり得ない。

闘いもしないのに 負けるはずはないだろう?


柔道の奥義は まさに これだ。
闘わない。

日本は 柔道という 全く微妙な武術を発展させたが、柔道で修行を積んだ人は 負けるということを知らない。
なぜなら、闘わないからだ。

たとえあなたが そういう人を殴っても、その人は、あなたが殴ることで出したエネルギーを吸収する。
抵抗はしない。
闘わないのだ。

そして数分後には、あなたが いくら強かろうが 負かされてしまう。
どんなに弱くても、柔道を知っていれば 相手を負かすことができる。


あなたも 観察すれば、こういったことが 周囲でしょっちゅう起こっているのが分かるだろう。

例えば あなたは小さな子供が転ぶのを見る。
子供は 一日 何回となく転び、そしてまた起き上がると 転んだことなど忘れてしまう。

ところが、もしあなたが子供のような転び方をしたら、これはもう 必ず病院行きだ。

では 子供が転ぶときには 一体何がどうなっているのだろう?

子供は ただ単純に転ぶだけで 抵抗は 一切しない。
子供は 重力に引っぱられるままに動く。

子供は ただ転ぶ。
抵抗せずに、クッションが落ちるように転ぶ。

ところが あなたが転ぶときには 抵抗がある。
まず、
転ばないように 力んでしまう。
細胞の全部、骨の 一本一本が 緊張してこわばる。

緊張した骨と 張りつめた神経が、いやいやながら 逆らいながら転んだら、多くのものが壊れるわけだ。
重力に引っぱられて というより、あなた自身の抵抗が ケガを生む。


それから、酔っぱらいが 道ばたで転んでいるのを 見たことがあるだろうか?

溝に落ちて ころがっている酔っぱらい。
ところが 何ともない。
次の朝には ケロリとしている。

そして会社に出かけ、夜になると また転ぶだろう。
酔っぱらいには、 あなたの知らない 転び方の秘訣があるにちがいない。

それは 何だろう?

つまり こうだ。
酔っぱらいすぎて 抵抗できなくなっている というわけだ。

抵抗できないから 、ただ単純に転ぶ。

だから、次の朝には まるっきり OK でいられる。
また 楽しく仕事に出かけていく。

もしあなたが 酔っぱらいと同じように転んだとしたら、まっすぐ病院に運ばれることになるだろう。
あちこち骨折したり 傷ついたりしているだろう。

そういうケガは すべて、あなたが 闘うことから 起こるのだ。

以下 略ーーー



「草は ひとりでに 生える」by OSHO

発行 / O E J Books