OSHO 「信心銘」第五章 ①

P. 181~
第五章 空の世界

 “想いの対象が消え去れば、
 思う主体も消えて行く。
 心が消えれば、対象も消えるように。
 物が対象であるのは、思う主体の故、
 心が心であるのも物の故だ。
 この両者の相対性と、
 空の統一体である、この根本実在を理解するがいい。
 この空の中で、主体と客体は区別されない。
 しかもなお、それぞれともに、全世界を包含する。
 もし粗いと細かいの区別をしなければ、
 偏見にも、意見にも、誘われることはない。”


 世界があるのは、あなたのせいだ。
あなたがそれを創る。 
あなたが創造者だ。
あらゆる個人は 自分のまわりに、ある世界を創り出す。
その世界は その人の想い(マインド)次第だ。
思考作用(マインド)は架空のものかも知れないが、とにかく創造的だ。
それは 夢を創り出す。
だから地獄を創るか、天国を創るかは、その人次第だ。

 たとえ、この世を離れても、その世界を離れることはできない。
どこへ行こうと、人は再び 同じ世界を創り出すことになる。
その世界は絶えず自分から生まれて来ているからだ。
ちょうど、葉が木から生まれて来ているように。

 あなたたちは、同じ世界に住んではいない。
それは あり得ない。
あなたたちが同じ思考(マインド)を持ってはいないからだ。
自分のすぐそばで誰かは天国に住んでいるかも知れないし、あなたは地獄に住んでいるかも知れない。
ところが、あなたたちは自分達が 同じ世界に住んでいると思っている。
想い(マインド)が違っているのに、どうして同じ世界に住むことができよう。

 だから、理解すべき第一のことは、想い(マインド)が消えないかぎり、人は 自分の世界を離れることができないということだ。
二つは相補的なものだ。
相互に依存しながら、ひとつの悪循環を成している。
そこに心(マインド)があるかぎり----。
そして 心(マインド)とは、常に ある独特の心(マインド)だ。
心(マインド)が もはや独特の心(マインド)でなくなった時、それが「大」のつく心(マインド)になった時、それはもう心(マインド)ではない。
それは意識になったのだ。

心(マインド)は常に独特の心(マインド)だ。
それはまわりに独特の香りを漂わせる。
それは あなたの世界だ。

 思考(マインド)は世界を創る。
すると、今度は、世界が思考(マインド)を創る。
その思考(マインド)が 同じままでいられるように助ける。
これこそが悪循環なのだ。
だが、その根源は思考(マインド)にある。
世界は、副産物に過ぎない。
思考(マインド)に実体がある。
世界は単にその影に過ぎない。
そして、影を滅ぼすことはできない。
だが 誰もがそれを滅ぼそうとする。

 この妻が自分に合わないなら、別の妻なら合うだろうと考える。
あなたたちは 世界を変えようとしているが、自分は同じなのだ。
次の妻を前の妻の正確な写しに変えることになるだけだ。
創るのは またあなただ。
妻は単に映写幕であるに過ぎないのだから。

 何度も結婚した人たちの経験は本当に不思議だ。
人は驚くに違いない。
十回結婚したある男は、その事実を認めて、言った。
「この広い世の中で、私が出会うのが いつも同じタイプの女性だなどということが、いったいどうして起きるんでしょうね。
偶然にしても、あり得ないような気がします。
何度も何度もですよ!」

 問題は女性ではない。
問題は 思い(マインド)だ。
思い(マインド)は 再び同じタイプの女性に惹きつけられ、再び同じ関係を作り出し、再び同じ混乱、同じ地獄に出会う。

 そして同じことが、あらゆる事に起きる。
宮殿なら自分は幸せに暮らせると思うかね。
それは違う。
その宮殿に誰が住むことになるのか。
あなたがそこに住むことになるのだ。
今の小屋で 幸せでないなら、宮殿でも 幸せにはならないだろう。
誰がその宮殿に住むことになるのか。
宮殿は自分の外に存在するのではない。

 小屋で幸せに暮らせたら、宮殿でも幸せに暮らせる。
あなたが、自分のまわりに世界を創るのだから。
小屋が締めつけるように、宮殿も締めつけることになる。
ものが より大きいだけに、かえってひどい。
それは地獄になるだろう。
まったく同じ事だろう。
より装飾されてはいても、装飾された地獄は、天国ではない。
そして、たとえ力ずくで、天国に投げこまれたとしても、あなたは 出口を捜すか、そこを地獄にするだろう。

 ある男の話を聞いたことがある。
大実業家でドレスメーカーだったが、どういうわけか、死んだ時 何かの手ちがいで天国に入ってしまった。
男はそこで、以前の共同経営者に出会った。
その共同経営者は、まるで地上にいた時と同じように悲しそうだった。
そこで実業家は言った。
「いったい、どういうことだね。
君は天国にいて、そんなに不幸せだとは」
 相手は応えた。
「ここはいいよ。しかし個人的には 私はマイアミの方が好きだね」

 そして新参の彼も数日を経ずして同じ結論に達した。
二人はそこで再び共同事業者になり、ドレスメーカー会社を設立することにしたという。

 どこへ行こうと同じことが起こる。
あなたが世界だからだ。
あなたが自分のまわりに世界を創る。
すると、今度はその世界が、それを創った想念(マインド)に協力する。
息子は父親を助ける。
息子は母親を助ける。
自分の影が実体を助ける。
するとその想念(マインド)は ますます強化され、かくして人は同じ線に沿って、また同じ世界を創り出す。
どこから変容を始めたらいいのか、どうやって変えたらいいのだろうか。

…②に続く