saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

質疑応答集「エゴは落ちるーーーたった今!」06

「エゴは落ちる---たった今!」06=終回


〈覚醒〉に関しては 古来二派があって、一派は、〈覚醒〉は瞬間的に起こる とする突然の〈覚醒〉を語る派
〈覚醒〉を 非時間的にとらえる派だ。

もう一派は、最初の派とは正反対に、〈覚醒〉は漸次的に やってくるものという、徐々に起こる〈覚醒〉を語る派で、突然に起こるものは 何ひとつないと言う。

どちらも正しい。
なぜなら、両方とも現象の一部だけを選びとって見ているからだ。
“漸次”派は 最初の部分、理解の部分を選択している。
彼らは それには時間をかけなければならないのだと言い
理解は時間を通じて来るものだと言う。
そのとおり!
彼らは、 “突然のこと” については 心配することはないと言う。
ただ道順(プロセス)通り行けばそれでいい。
もし 水が正しく熱せられていたら いつか蒸発するだろう。

あなたはべつに 蒸発のことは心配しなくていい。
頭から そのことを完全に取り去ってしまいなさい。
あなたは ただ水を熱すればいいだけだ------


もう一つの派、まったく反対に〈覚醒〉は 突然のものだ と言っているこの派は、最後の部分を執っている。
この派によれば、最初の部分は 大して本質的ではないと言う。
大事なことは、あの時間を超えた間際の内で起こる爆発だ。
最初の部分は周辺のことにすぎない。
“ 本当のこと、 ” つまり二番めのことが中心になる------


だがあなたがたに言っておく、両方とも正しいのだと。
〈覚醒〉は突然 起こる。
それは常に 突然起こってきた。
しかし、理解には時間がかかるーーー
両方とも正しい。
が、両方とも またまちがった解釈をされることがある。
あなたがたは 自分自身に策略を弄することができる。
自分をだますことができるのだ。
もし あなたが 何もしたくないと思ったら
突然の〈覚醒〉を信じることは すばらしいことになる。
そうなったら あなたは こう言う。
何をする必要もない。
もし突然に起こるものならば
それは そのように起こるしかない。
自分に何ができよう? ただ待つだけだ------


このために、殊に日本では、宗教が消えてしまった!
日本には “ 突然の〈覚醒〉”の 長い伝統がある。
禅では〈覚醒〉は 突然起こる という。
このために、国全体が 非宗教的になってしまった。
徐々に徐々に、人々は、“ 突然の〈覚醒〉”こそ唯一の可能性であると 信じるようになっていった。
何もできることはないではないかーーー
それが 起こるときには起こるだろう
もし起こるとしたら きっと起こる。
起こらないとしたら、起こらないだけだ。
それに関して 何もできることはない
それなら、何も心配することはない------

東洋の中では 日本はいちばん物質的な国だ。
東洋の中にあって、日本は西洋の一部として存在する。
これは おかしなはなしだね。
というのも日本には 最高に美しい伝統の一つ
ディヤンからチャンそして禅へとなっていった伝統があるからだ。
なぜ それが消えてしまったのだろう?
それが消えたのは、この “ 突然の〈覚醒〉” という概念のためだ。
人々は 自らを欺きはじめたのだ------


インドでは もう一つ別な現象が起こっているーーー
だからこそ私は、人間の 頭(マインド)というのは まったく欺瞞的でずるがしこいと くり返しくり返し言いつづけるのだよ。
あなたがたは 絶えず用心していなければならない。
さもなければ だまされることになる。

インドには、もう一つ別の伝統があるが
それは、漸進的な〈覚醒〉の伝統だ。
それこそ “ヨーガ” の意味するところ、つまりあなたは
それのために はたらかなければならない。
何生にもわたって きびしい修行をしなければならない。
鍛錬が必要だし、作業が必要だ。
それに懸命な自己作業をしなければ、それは成就できるものではない。

したがって、それは長いプロセス、非常に長い道程だ。
あまりにも長いため、インドでは 一回きりの生涯ではとても足りないと言う。
たくさんの生が必要だと------

このことに どこもおかしいことはない。
理解に関するかぎり、これは真実だ。
ところが
そうなったらインドは、そんなに時間がかかるものなら
急ぐ必要はないと考えてしまった。
どうしてそんなに急ぐ必要がある?

それなら世の中を楽しむがいい。
急ぐ必要はないし、時間はたっぷりある。
そんなに長い道程なら 今日のうちに成就することなどできはしない。
もし今日中に成就できないとなると、関心は失われる。
何生も待つことができるほどに熱心な人は誰もいない。
ただもう忘れてしまうばかりだ。


漸進的なプロセスは インドを破壊し
突然起こるほうの概念は 日本を壊してしまった。


私にとっては
両方とも真実だーーー!
なぜなら 両方とも、一つのプロセス全体の半分ずつだからだ。
あなたがたは、自分自身をだまさないように 常に用心していなければならない。
いささか矛盾しているようにおもえるかもしれないが このことを、私は あなたがたに言っておきたい。

つまり
それ は、今の この瞬間にも起こりうる-------が
今のこの瞬間が来るためには何生もかかるかもしれない ということ。
それは 今のこの瞬間に起こりうる------が
あなたがたは、この瞬間が来るまで何生もかけて待たなければならないかもしれない。


だから
懸命にはたらくことだ
あたかもそれが 今この瞬間に起こるかのように------
それから 忍耐強く待つことだ。
なぜなら それは予知不可能なことだから。
誰も いつそれが起こるか言うことはできない。
あと何生も起こらないことだってありうる。

だから
がまん強く待ちなさい。

あたかも道程全体が 一つの長い段階的な展開であるかのように------

そして 心身をこめて これにはたらきかけることだ。
可能なかぎり頑張ることだ。
あたかもそれが 今 この瞬間に起こるかのように------



質疑応答集「エゴは落ちるーたった今!」 終わり、
(質問---)
「バグワンーーー
あなたは、自我(エゴ)は今この瞬間にも落ちることができると言いましたね。
少しずつ落とすことはできないのですか?」



「マイウェイ 流れ行く白雲の道」
バグワン-シュリ-ラジニーシ 質疑応答集
翻訳=マ-アナンド-ナルタン
発行= RPJ
発売=株式会社めるくまーる社