saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第2章 質疑応答: 二番目の質問・・・(02)


f:id:saleem:20230319084249j:image

二番目の質問 (02)

 

( 皇帝は ボーディダルマのところへ 出かけた )

 

皇帝が ボーディダルマに 近づいた時、ボーディダルマは 言った。

「やって来ましたね。 ところで あなた自身は どこに ? 」

 

光皇帝は「あなたは私を 困惑させる。 私は 一晩中眠れませんでした。『あなた自身』とは、一体どういう意味ですか ? 

私は ここにおります」と 言った。

 

するとボーディダルマは 言った。

「では、自分を 私に差し出しなさい。

そうしたら、それを静め、平和にし、落ち着かせてさしあげよう。

目を 閉じなさい。

そして 自分がどこにいるかを見つけ出しなさい。

見つけたら、私に示しなさい。

そうすれば、私がそれを 完全に消し去ってあげましょう。

そうすれば、二度と再び、何かの問題が持ち上がることはないでしょう」

 

そこで 光皇帝は目を閉じ、ボーディダルマの前に 座った。

朝は 完全に静かだった。 誰ひとり いなかった。

 

光皇帝は、自らの息を聞くことさえできた。

自分自身の 心臓の鼓動を 聞くことができた。

 

一方、ボーディダルマは そこにいて 彼に「内側へ入り、自分が どこにあるかを 見つけ出しなさい。 それを見つけ出せなければ、私に どうしようがあるでしょう」と 言っていた。

 

皇帝は 何時間も探し、 探しに探した。

そして 皇帝は 目を開けた。

皇帝は 別人になっていた。

そして皇帝は こう言った。

「私は自分を どこにも見い出せませんでした。

心の内側は まったくの虚空でした。 そこには 自分は ありませんでした」と。

 

すると、 ボーディダルマは言った。

「自分がなくて虚空がある と。 それなら どうです、 今、あなたの心は 乱れておりますか ?

誰か 内側に 心穏やかでない者がおりますか ? さあ、 さっき あなたが話していた苦悩は どこです ?

あなたが あんなにも話していた苦悩は どこです ?」と。

 

光皇帝は「どこにもありません。

苦悩を感じていた人が 消え去ってしまったからです。

その感じる人がいないのに、どうして落ち着かない状態でいられましょう ?

私は 何度も やってみました。 でも、それは どこにも見つかりませんでした。

本当は、 私自身、誤解していたのです。

私は、内側に わ た し が存在すると思って、それを見つけようとしました。 でも、 わ た し は 内側に ありませんでした。

そこには ただ虚空が−−−シュンニャ−−−空、無が あるだけでした」と。

 

そこで ボーディダルマは言った。

「さあ、宮殿へ お帰りなさい。

あなたが自分に対して 何かが為されるべきだ と感じたら いつでも、まず最初に、それが どこにあるかを見つけなさい」と。

 

それは 偽の実体だ。

我々は 一度として探したことがないので、それがあるように思える。

我々は 一度として 意識の内側に 入ったことがないので、わ た し について話し続ける。

それは 意識の内側にはない。

 

そこで、最初に理解されねばならないことは、もし あなたが瞑想すれば、もし あなたが 静かになれば、虚空を感じるだろう ということだ。

 

なぜなら、エゴを 見いだせないからだ。

エゴとは、すべて 意識の内にある 家具だった。

今や、家具はなくなった。 あなたは ただの部屋だ−−−

というより、部屋を占める スペースだ。

壁さえも 消え去った。 それらは エゴの 一部だった。

精神構造 全体が 消え去った。

すると そこに 虚空を見い出すだろう。

 

それが第一の ステップだ−−−エゴが 消え去るとき。

エゴとは 偽の実体だ。 それは そこにはない。

ただ あるように 見えるだけだ。

 

 

 

(02)終わり(03)へ 続く