saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第八章 「 第六の質問 」 (05)

(… しかし、その安堵は 永久ではありえない

どんな安堵も けっして永久不変では ありえない

それは わずかのあいだしか 続かない )

 

あなたはそれを 何度も観察したことがないだろうか ? 

 

あなたは ある車を 買いたかった

その車は いまポーチにあって、あなたは そこに立っていて、とても幸せだ

それが いったい いつまで 続くだろう?

 

明日には それは「この古い車」に なる、一日分 古い車に ーーー

二日後には それは二日分 古くなる

隣近所の人々が みなそれを見て、みな それをほめた

それで おしまいだ ! 

いまでは、誰も その車のことを話さない

だから自動車会社は 毎年いろいろな新型車を 出しつづけなければならない

あなた方が 新しい 条件を得られるように ーーー

 

人々は ただ安堵を得るために、さまざまな ものを渇望しつづける

そして安堵は 入手可能だ

 

こういう話を 聞いたことが あるかね ?

ある乞食が 一本の樹の下に 坐っていると、金持ちの車が 故障した

運転手は 車を固定し、金持ちは 外に出た

そして、 乞食は樹の下で いい気持ちで休んでいた

 

そよ風が吹き、日の光が輝き、美しかった

金持ちも やって来て その乞食のそばに坐って、こう言った

「どうして 働かないのかね ?」

乞食は 聞き返した

「何の ために ?」

金持ちは ちょっといらだって、こう言った

「金を得たら、きみも銀行に 大きな預金ができる」

だが、乞食は また訊ねた

「何のために ?」

金持ちは ますますいらだって、こう言った

「何のためにだって ?

そうなったら、年をとったときに 引退して、休息できるからだ 

「 しかし 」と 乞食は言った

「わしは いま休息している !

どうして老年を 待つのかね ?

そして、金を稼いで銀行貯金をつくって

おしまいに休息するという、こんな ばかげたことを どうしてするのかね ?

おまえさんには 見えなさらんか ?

わしは、いま 休息している !

どうして 待つのかね ?」

 

どうして 夕方を 待つのかね ? 

どうして ビールを待つのかね?

どうして 飲めるうちに水を飲んで 楽しまないのかね ? 

 

エスが 水をワインに変えた という話を 聞いたことがあるだろう ? 

キリスト教徒たちは それを見のがした

彼らは イエスが実際に 水をワインに変えた と 思いこんでいる

それは 真実 ではない

彼は、私があなた方に 教えているような秘密を、自分の弟子たちに 教えたにちがいない

彼は「水がワインになるほどの大きな喜びをもって飲みなさい」と 説いたに ちがいない

 

あなたは 自分を酔わせるほどに 喜びに満ちて 水を飲むことができる

ためしてごらん

ただの水が あなたを 酔わせることができる

それは あなた しだいだ

それは ビールやワインしだい ではない

 

それを理解できなければ、催眠術師たちに 聞きなさい

私たちの サントッシュに 聞きなさい

彼は 知っている

たとえ 水でも、誰か催眠術師にかかった人に与えて

催眠状態で「これはワインだ」と 言ったら、彼は、 水で酔ってしまう

 

さて、医者たちはプラセボ(偽薬)について 知っている

ときとして その成果は びっくりするほど大きい

ある病院で いくつかの実験をやっていた

同病の患者 二十人の集団に薬が 与えられ、同病の 別の二十人には ただの 水が与えられた

水が 効くかどうか ちょっと見るためにだ

医者も患者も、どちらが水で どちらが薬か知らなかった

もし 医者が知っていたら、彼の ふるまいさえ 変わるからだ

 

 

(05)終わり・・・(06)へ 続く