saleemのブログ

「 先ず一歩 内なる旅に 友は無し 」Zen柳

第十章 東洋と西洋を超えて (最後の、 そして最も重要な質問。実に歴史的 重要性のある質問)(01)

愛する和尚、

なぜ、あなたはいつもタオルを持ち歩いているのですか。
もう、持ち歩くのはやめたらいかがですか。



まず最初に、私は タオルを 二十五年間 ずっと手放さずにいる ということ。
二十五周年だ !

私は その質問に驚いている。
というのも、昨夜 私は、タオルを 手放そうと決心したばかりだったからだ。

私は ある話を 思い出した。

ある男性が とても長生きし、百歳に なった。
そこで、記者たちが 彼を取材に来た。

色んな質問をした。
一人の記者が、聞こうか聞くまいか 少し躊躇していた。

この質問をする人は いつもそうなのだが、これまでにも 記者たちは、そんな馬鹿げた質問を するかしないか、何度も 躊躇したに違いない。
その記者は尋ねた、「もう一つ お尋ねしたいことがあるのですが。 女性について どう思いますか」

老人は言った、「不思議だね。 けさ私は、女のことは絶対に 考えまいと決心したばかりなのだ」

百歳の老人が、 まさに その日の朝 決心した !
そして老人は言った「どうか、もう惑わさないでくれ ! 」



私は、昨夜 決心したばかりだ。

だが、 あなたが質問したのは良いことだ。
どうして私が タオルを持つようになったのか、長い話になるが、タオルを手放す前に その話をしたほうがいいだろう。

私が ジャバルプールに住み始めたとき、そこには ものすごい数の 蚊がいた。
笑ってはいけない、ジャバルプールに較べたら、プーナなど何でもない。
いないに等しい。
ジャバルプールでは、 一日中 タオルで追い払わなくてはならなかった。
静かに座っているのは 不可能だった。

かつて、仏僧であり 非常に高名な学者である ビクシュ・ジャグディッシュ・カシャップが 私のところにいた。
私が 招待した客だった。

蚊を見て 彼は言った、「蚊にかけては サルナートが最高だと思っていましたが、今じゃ ジャバルプールが サルナートを 打ち負かしたようですね」

そして、「仏陀にまつわる サルナートの お話をしましょう」と 言った。
仏陀は 一度しか サルナートへ 来ませんでした。
仏陀の最初の説教は サルナートで行われたのですが、二度と戻って来なかったのです。
それで、戻って来なかったのは 蚊のせいだと、何世紀にも亘って仏教徒たちに言われ続けているのです」。

いったん ジャバルプールを離れたら 二度と 戻らないだろう、と 私は ビクシュ・ジャグディッシュ・カシャップに 言った。
離れてから 一度もそこには行っていない。
私には 仏陀の大変さがわかる。
タオルなしには、どうすることもできなかっただろう。

仏陀は、生涯のうちに、何度も 同じ町を訪れた。
シュラヴァスティは 少なくとも 三十回、ラジャグリーは少なくとも 四十回。
だが、 サルナートには 二度と戻って来なかった。
それには 何か秘密があるはずだ。

実際、昔から 蚊は瞑想者の 敵だった。
瞑想していると、悪魔が誘いに来るかどうかは 知らないが、蚊だけは 常にやって来る。

私は 十八年間 ジャバルプールにいた。
タオルは いつも連れ添う私の 伴侶となった。

ジャバルプールを離れ ボンベイに来たときに、手放そうか とも考えた。
しかし、その頃 人々は タオルに秘教的な考えを 抱くようになっていた。
それで、そう考える人たちのために、私はタオルを使い続けることにした。

今や、それは迷信になった。
迷信 という言葉は、ときには有用だが 状況が変われば 有用でなくなるもの、という意味を持つ語源に 由来する。
だが タオルは放さずにいた。
このタオルは 迷信なのだが、あなたたちのために、私は タオルを持ち歩き続けた。
自分たちの考えを基礎づけるため、何かを必要としている秘教的な人々、秘教的な考えを持つ人々が 周りにいるからだ。


一人の女性、フィリッピン出身の 美しいサニヤシンが、私のタオルに真理を見出した と言った。

私は どんな真理かと尋ねた。

彼女は、
「あなたは誰でもありません。
無の中に生きています。 あなたは 何かを掴んでいなくてはなりません。
そうしなければ、消えてしまうでしょう」と 言った。

「その通り。 まったく正しい ! 」と 私は 言った。


三つだけ、私の持ち物があった。
ルンギと ローブと タオルだ。
見ての 通り、ルンギは なくなってしまった。
パリジャットが それを手放す手伝いをしてくれた。
パリジャットは 私の公認の裁縫師だ。
聖なる お方、オショウ・シュリ・シュリ・オショウジ・マハラジが 任命なさった裁縫師だ !
彼女がとても素晴らしいローブを作ってくれたので、ルンギを着るのが 滑稽にすらなってしまった。
キャデラックの脇にいる 牛車のように見えてきた。
着る必要がなくなって、私は ルンギを捨てた。

今度は タオルの番だ。
残っているのは ローブしかない。
どうか、ローブのことは 質問しないでほしい !

ちょっとした話を しよう。



・・・(02)へ 続く