「信心銘」by OSHO, 第七章 ⑫

(…目撃とともに、夢は消える。そして、夢と一緒にあらゆる幻影、マーヤは消える。)

そうすれば、あらゆるものが、その ひとつの精髄に 属していることがわかる。

樹々は、形こそ違うかも知れないが、その中の 無形のものは ひとつだ。
岩は樹と ひとつだ。
樹は星と ひとつだ。
星は あなたとひとつだ。
あらゆるものが ひとつに組み合わされている。


 今のあなたは 形しか見ていない。
なぜなら、思考(マインド)には、形しか 見えないからだ。

無思考(ノーマインド)に よって、無形のものが 見えてくる。
無形のものが 見えれば、全世界は、まさに ひとつの海のようなもの、そして、すべての形態は、その波に過ぎない。

あらゆる波の中に 海が波打っている----その〈一なるもの〉が。


 今は、あらゆるものが〈多〉だ。
それは 亊物が〈多〉である ということではない。

あなたの内面が 分かれているからだ。
だから 亊物が〈多〉に見える。

ちょうど 鏡を割ったようなものだ----たくさんの 破片がある。
その各々の 破片に映し出され、たくさんの顔が 見えることになる。
そこに 立っているあなたは 一人だ。
だが、鏡が 割れているために、そこには たくさんの顔が見える。


 古い話を ひとつ聞いたことがある。

 ある王が 宮殿を造ったのだが、その宮殿は 全部、何百万枚という小さな鏡で できていた。
その宮殿に入れば、人は何百万通りにも写された自分を 見ることになった。
まわり中、何百万もの顔に とり囲まれる。
自分は一人だが、鏡が多い。

ある時、一匹の犬が この宮殿に入り込んで、大変な窮地に陥った。
まわりを見て、すっかり おびえてしまったからだ。
犬が 吠え始めると、まわり中の 何百万という犬が 吠え出した。
彼は 考えた。
「もう こうなっては逃げられない。
一匹の 敵ならともかく、何百万という数の犬では。
しかも、全部 凄そうな奴ばかりだ」

 犬は 敵に飛びかかり、闘い始め、壁に ぶつかって死んだ。


 これが あなた方に起こったことだ。
これが あらゆる人に 起こっていることだ。

真理は ひとつだ。
だが思考(マインド)には たくさんの断片がある。
あらゆるものが 分割され、人は 恐怖に捕らえられる----至る所に 敵がいる。
そこで 人は吠える。
そこで 人は闘い始める。

攻撃的になり、その必要もないのに、自分を 防衛しようとし始める。
なぜなら、攻撃しかけている者など誰もいないからだ。
人は 偏執病患者になる。
そうして、おのれの幻影に わが身を叩きつけて死ぬ。


 人は 苦しみの中に生き、苦しみの中に死ぬ。

内側で ひとつになりなさい。
そうすれば、突然、外側のものは すべてひとつになる。

自分の あるがままに、宇宙も ある。

自分が 分裂していれば、宇宙も 分裂する。

自分が 分裂していなければ、宇宙も 分裂していない。

…⑬に続く

「信心銘」by OSHO,
(訳者) スワミ-パリトーショ
(発行所) (財) 禅文化研究所